2008年11月18日

2008年11月配信分 雫一つ




霧。

白く。

眼下に霞む景色は別世界に。

雨上がり。

この部屋に時を刻む物はない。

とゆを伝う雫だけが時の流れを教えてくれる。


どれくらいの時間が過ぎたのかわからない。

5分くらいが1時間のように。

いや、

実際は1時間が数秒で過ぎる感覚。

速いのではない。

時が止まるのだ。



寂連法師の歌が不意によぎる。



村雨の

露もまだひぬ

まきの葉に

霧たちのぼる

秋の夕暮れ


にわか雨がひとしきり降り過ぎて

その残した露もまだ乾かない真木の葉に

山霧が静かに立ち昇っていきます

秋の夕暮はいかにも寂しいものです


古人は言葉短く、

しかも的確に色彩を表現する。

彼もこのような感覚だったのだろうか。



パソコン、テレビ、携帯・・・

バーチャルな世界を見つめがちな現代。

自然に目を向けることは多くない。

いや、

見ているようで見ていないのかもしれない。

もったいない。

雫一つが美しいのに。


白い霧が、

かすかにゆっくりと動く。

止まった時間が動きだす。

やがて、

夕闇。




ラベル:エッセイ 雫一つ
posted by DO ART !! エッセイ集 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 坂本のサルサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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