2009年07月18日

2009年7月配信分 「儲からない」美しさ




職人の技。

そんな言葉が、あと何年かすれば消えてしまうのではないか?


戦後60余年。

日本は急速に変わったのは誰もが知るところである。

便利さを追い求め、

物を大量生産し、

修理するより新品を買った方が安い。

そんな馬鹿げたビジネスの世の中を作り出した。


「便利さ」それは、

「人として大切な物」との引き換えの代償かもしれない。

「大量生産」

「使い捨て」

これは今や、物だけではなく、これに従事した「人」をも同様ではないだろうか?

何万人ものリストラのように。


しかし、職人の世界は違う。

「儲からない」ことが前提なのだ。

技を磨き、自分を磨き、たった一つの作品を作るために数年を要する。

大量に作り、その中から納得いくたった一つを選び出す。



京都、貴船。

アトリエ臥龍(がりょう)。

象嵌(ぞうがん)技法を用いた焼き物がある。

象は「かたどり」

嵌は「はめる」

粘土の器に彫刻を施し、着色した粘土をその形に作り嵌め込むのである。

そして焼く。

そうすれば、筆で描くより、鮮やかに図柄が浮かび上がる。

しかし、これは大変なことなのだ。

何故なら、粘土に練り込む「色」は細かい金属なのだ。

異なる色つまり金属は、焼いた時、冷めた時で伸縮率が違うから、一歩間違えば、

境目にヒビが入りやすいのだ。

ヒビが入れば、また最初から作ることは言うまでもない。

だからこそ選ばれた一つは、美しいのだ。


だからと言って、

これで商売が成り立つのかと問えば、答えはNOだろう。

ゆえに跡継ぎに悩むところは多い。

しかし、

大切な心はここにある。


それを一人でも多くの人が、見失わないようにしなければならないのではないだろうか。





posted by DO ART !! エッセイ集 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 坂本のサルサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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