2010年01月18日

2010年1月配信分 冬の癒しアイテムに危機!?




火箸(ひばし)を新しく買おう。

火箸は火鉢の炭火の面倒を見るための金物のお箸である。

他の必要品の買い物もあり、気軽に大手スーパーに。

探しても見つからないので、店員さんに尋ねると、

「火箸は置いてません」

とのこと。

諦めてホームセンターへ行ってみる。

ここならあるだろうと思い探す。

「無い!!」


よくよく思い出すと、最近、町で火鉢自体も見かけたことがない。

ホームセンターを出る時、ふと看板が目に入る。

「オール電化の時代です」

無性に淋しさを覚える。

今の自分は時代に逆行しているのだ。

確かに近代家屋は隙間がなく、一酸化炭素中毒の危険性がある。

消えても仕方ないのかも知れない。



幸い日本家屋には隙間が多い。

しかし、その家屋が減っているのだ。

さらに、火鉢や火箸が消えることにより、それに纏わる思い出も、

より一層遠くなり、思い出の記憶の底に埋もれてしまいそうな気になる。



火鉢の中にはたっぷりの灰が入っていて、その真ん中には、

ほわっと赤い炭火が顔を見せる。

火が、いこり過ぎないように、消えないように火箸で面倒を見てやる。

火鉢にごたくを突き刺しヤカンをかけたり、時には網を置いて餅を焼く。

火鉢で手を温めながら、硯で墨を擦り、色紙を描く祖父の姿を思い出す。

何気ない日常がそこにあった。



蝋燭の火や炭火、そして裸電球、蛍光灯、ハロゲンライト。

近代化が進むにつれ、寄り明るさを作り出した。

その一方、「火」の持つ「温かみ」が失われたような気がする。

火は怖いものではあるが、温もりの象徴でもあった。



囲炉裏、薪風呂、おくどさん(釜戸)に豆炭あんか。

巧に火を操り食事や風呂など生活に火を取り入れてきた。

そこには人の手間がかけられている。

小さな心の温もりがある。



スイッチ一つの暮らし。

松風庵でも、今では薪風呂もおくどさんも姿を消した。

しかし、ほんの少しでも火の温もりを残したい。

思い出と一緒に。


posted by DO ART !! エッセイ集 at 00:00| Comment(0) | 坂本のサルサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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