2012年06月18日

2012年6月配信分 「今日の国」から「明日の国」へ



高速道路を西へ。

午後6時。

間もなく夏至を迎えるため、

この時期の太陽はまだ高い。

雲間から顔を出す太陽はまだまだ元気があり、

夕暮れ時の弱々しさを感じさせないでいる。



滋賀から京都へ抜ける。

山に近づくに従って、少しずつ高度を下げる太陽。

山を一つ二つ越える。

広がる京都の町並みに、山の端はまだ遠くはるか。

つまりまた太陽が高くなったように感じるのだ。



いま自分は、

暮れかかろうとしている「今日」という日を追いかけて走っている。

夕闇に包まれないように、早く、早く。

太陽が低くなる。

もう少し、あと少し。

「今日」を終わらせないためにアクセルを踏む。



京都から大阪。

沈んだはずの太陽がまた昇っている。

6時半。

滋賀の町は夕闇が支配する準備を始めた頃だろう。

僕は逃げる。

夕闇から。

まだ「今日」が残っている。



豊中。

太陽は眩しさを失い、代わりに朱みが増す。

六甲山の上の雲の中に滑り込む。



西宮を過ぎると、

太陽はまだ少し高い位置にある。

しかし、

白い灰色の雲に包まれた太陽は、最期の力を振り絞り、

雲間から道路を照らす。

夕闇の支配を受けるのも時間の問題だ。



でも、抗う。

午後7時、家々に明かりが灯る。

夕闇と共に「明日の国」が押し寄せる瞬間。

太陽を飲み込んだ灰色の雲は、ほんの少しの朱を残し、

最期の抵抗を見せる。

その隙に車はさらに西へ。

すると、

加西はまだ明るい!!

夕闇の手を摺り抜けたのか。



そしてとうとうこの時を迎える。

7時半。

粟(しそ)市山崎で、甘んじて夕闇の支配を受ける。

今日を見送る。



こんなに夢中に「今日」と言う日を追いかけることはない。

いつもなら、

成す術もなく夕闇を受け入れ、

「明日の国」の支配を受けてしまう。

不細工で不器用な形でも良い。

精一杯今日を抗い、

そのうえで明日を受け入れる。

そのようなことも、

たまには良いかも知れない。



posted by DO ART !! エッセイ集 at 00:00| Comment(0) | 坂本のサルサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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