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小雨。
少しひんやり。
昨日、暦は二十四節気の一つ霜降を迎えた。
雨が降り出すまでは騒がしかったヒヨドリのピーちゃんも、
降り始めてからは声をひそめている。
木陰に隠れて、肌寒さを感じているのだろうか。
小雨にまじって秋風が吹く。
深呼吸して土の香りを感じる。
秋風には別名がある。
古人は季節に色をつけた。
春は青。
夏は朱。
秋は白。
冬は玄(くろ)。
感性豊かな古人はその白を透明とし、「素風」「色なき風」と呼んだ。
美しい呼び名の風は、雨を強くし、
松風庵を霧に包み込んだ。
下界と切り離される瞬間である。
冷たい雨も木々には大切な存在だ。
この季節、姫榊は濃紺色の実をつける。
いまはまだ小さな黄緑の実が次々と育ってくる。
鳥達はそれをついばむ。
豊作に向けての雨。
記録的な暑さだったこの夏も、
彼岸を境に気温を下げた。
「霜降」とはよく言ったものだ。
やがて楓蔦黄(もみじつたきばむ)七十二候を迎えれば、
一気に晩秋が始まる。
ラベル:霜始降(しもはじめてふる)