2014年01月18日

2014年1月配信分 職人技



冬。

木々が葉を落としている時期を見計らって、

枝を払い、切り倒す。

東側の木々の成長は、

子供の頃には一望できた琵琶湖を隠し、

南側の木々の成長は、

松風庵への日照時間を短くしていった。


いつもは自分で枝を払うのだが、

今回ばかりは熟練の職人さんにお願いした。

10数mもある木に登り、上の枝を切り、

ロープに結わえて下ろしていく。

その作業の早いこと。

瞬く間に松風庵に光が差し込む。

職人さんの御歳は76。

30年くらい前にもこの山の木を切ってもらっている。

若い方を2人連れての見事な作業。


5年半前、松風庵の改装の時のこと。

大きな樫の木を切るのに、

改装業者さんから造園業者さんに連絡を取ってもらったところ、

「その木をきるなら、クレーンを入れて、木を固定し、
家の方に倒れないようにしてからになるので、
時間がかかり、費用も100万円かかります。」

との返事。

そんな時、その職人さんにたまたま出会った。

普段は木を切ってもらうこともないので、

連絡もしないし、町でも会わないのに、

たまたま母親が町でその職人さんに出会ったのだ。

そして、ほぼ30年ぶりくらいに来て頂いた。

問題の樫の木も、ものの数時間で綺麗にこなし、

改装業者さんに

「あの方は何者なんですか?」

と言わせたほどである。


職人技。

そんな言葉が頼もしく思える。

今の日本の技術では、

ほぼどんなことでも出来るだろう。

しかし、それには莫大な時間と費用が必要になっているものもある。

事実、木を1本切るだけでもそれは伺える。

要するに修行する期間無しに、

即戦力で仕事をこなしていくためには、

全ての仕事をマニュアル化し、

それに従って機械を操作し、身体を動かせば良い。

大量生産するため。

多くの人が働けるために。

確かにうなづける。

でもその「職人技」は、これから創り出し、

さらに磨いていく必要がある。

伝統のある「職人技」とは質を異にする。

これからの日本は、あらゆる分野において、

この2種類の「職人技」を護っていけるのだろうか?



ラベル:職人技
posted by DO ART !! エッセイ集 at 00:00| Comment(0) | 坂本のサルサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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